ノッティンガム・フォレストの新体制を率いるポステコグルー監督。トッテナムから帯同した4人のスタッフとの信頼のチームビルディング。

ノッティンガム・フォレスト再生の鍵――ポステコグルー新体制に見る信頼と革新のチームビルディング

DEFINITION
ポステコグルーがノッティンガム・フォレストに移ったスタッフ陣とは
アンジェ・ポステコグルー監督は「同じスタッフは連れて行かない」という自身の哲学を初めて覆し、トッテナムから4人の信頼できるスタッフをノッティンガム・フォレストに帯同させた。ニック・モンゴメリー、マイレ・ジェディナク、セルジオ・ライムンド、ロブ・バーチの4人は国際経験と多様なバックグラウンドを持ち、クラブの再生に挑む。

ノッティンガム・フォレスト新体制:アンジェ・ポステコグルー監督のチーム作りに見る、“信念”と“革新”

2024年の夏、ノッティンガム・フォレストに新たな波が訪れました。
アンジェ・ポステコグルー監督がトッテナム・ホットスパーから4人の信頼できるスタッフを引き連れ、その手腕を投じるのです。
そのラインナップは、アシスタントコーチのニック・モンゴメリー、マイレ・ジェディナク、セルジオ・ライムンド、そしてGKコーチのロブ・バーチ。

このニュースは、イングランドのサッカー界のみならず、日本のサッカーファンにも大きな問いかけを投げかけています。
「監督とは何か?」「チームワークとは何か?」そして、「信念と変革、その両立は可能なのか?」
サッカーはひとりの才能だけで勝てるものではありません。それぞれのクラブや選手、その一人ひとりの物語が生命を吹き込みます。
今回は、新生ノッティンガム・フォレストの幕開けに込められた“想い”に迫ります。

アンジェ・ポステコグルー:「同じスタッフは連れて行かない」その美学

ポステコグルー監督のこれまでの歩みには、明確な哲学がありました。
「I have always worked with different staff, I’m not the person who takes staff with me.」
「私は常に異なるスタッフと仕事をしてきた。同じスタッフを連れて行くタイプではない。」
と語るその姿は、これまでの監督像とは一線を画します。

そして、直後にこう続けます。
「That’s my challenge – if I’m going to have longevity in this game I have to make sure my message is always relevant.」
「これが私の挑戦だ。監督として長く続けるには、自らのメッセージが常に時代に合うものとして届けられなければならない。」
ここから読み取れるのは、現状維持ではなく、絶え間ないアップデートへの挑戦です。

しかし今回、ポステコグルー監督は自身初めてとなる“馴染みのスタッフ”を新天地でも起用しました。
何が彼を動かしたのでしょうか?
この変化こそが、今のフットボール界における多様性や柔軟性、時に必要となる“信頼”の再発見につながっているのかもしれません。

COMPARISON / ポステコグルー帯同スタッフ4人の経歴比較
スタッフ 選手時代の経験 指導者としての特徴 評価
ニック・モンゴメリー シェフィールドU・Aリーグで350試合以上 セントラルコースト・マリナーズをリーグ優勝に導く・ヒバーニアンで監督経験 ◎ 実績豊富
マイレ・ジェディナク オーストラリア代表79キャップ・クリスタルパレス・アストンヴィラ250試合 アカデミー指導・ローン選手育成を担当 ◎ 継承
セルジオ・ライムンド モンゴメリーと同じ現場経験 セネガル・ブラジル・カナダ・オーストリア等多国籍経験 △ 多様性
ロブ・バーチ(GKコーチ) トップ出場機会少なかった元選手 スパーズアカデミー→U18→トップ・イングランドU16/U20・フラム経験 ○ 多段階実績
全員共通 オーストラリア・英国サッカーとの接点 ポステコグルーの哲学と信頼関係を共有 ◎ 一体感
ポステコグルー自身 「スタッフを連れて行かない」哲学 今回初めて馴染みのスタッフを起用する転換 △ 変化・進化
◎=突出した強み・継続性/○=段階的経験積み上げ/△=意図的な変化・多様性

4人の参謀たち ~経験と成長の軌跡~

まず、今季最も注目される存在となるニック・モンゴメリー。
イングランドのシェフィールド・ユナイテッドで350試合以上を戦い、後にオーストラリアのAリーグへ飛躍。
中心となったセントラルコースト・マリナーズでは指導者としてチームをリーグ優勝へ導き、その後スコットランドのヒバーニアンでも監督を経験します。

彼について特筆すべきは、ピッチでのガッツあふれるプレーのみならず、若き選手たちの成長を引き寄せる指導力。
「私は常に有能な若者たちをチームに迎え、自分の(監督としての)プライドは彼らの成長を見ることにある。」
そう語るポステコグルー監督の“右腕”として、今季も躍動が期待されます。

続いてマイレ・ジェディナク。
オーストラリア代表79キャップの元主将であり、代表監督時代のポステコグルーが信頼を置いた選手です。
クラブでのキャリアも、クリスタル・パレスやアストン・ヴィラで計250試合近くをプレーするなど、一流の経験値を持っています。
コーチングとしても着実なステップを踏み、パーカー監督の下ではアカデミーでの指導・ローン選手の育成に携わりました。

また、セルジオ・ライムンドはモンゴメリーと過ごしたオーストラリア、ヒバーニアン時代や、他国(セネガル、ブラジル、カナダ、オーストリア)での経験も持つ、多様な感性が魅力的です。

そして、GKコーチのロブ・バーチ。
スパーズのアカデミーGKコーチから、U18~トップチーム、そしてイングランド代表のU16・U20と、多様な現場を経験し、フラムでも指導を担いました。
選手としてはトップチームでの出場機会こそ少なかったものの、その分、挫折と挑戦の道を歩んできた“リアリスト”といえるでしょう。

FOR COACHES / 指導者が押さえる3ポイント
ポステコグルー哲学から学ぶ「信頼」と「進化」のチーム設計
  1. 「常に異なるスタッフと働く」という姿勢で自分のメッセージを時代に合わせ続ける — ポステコグルーは「監督として長く続けるには自らのメッセージが常に時代に合うものとして届けられなければならない」と語る通り、固定した人間関係に依存せずコーチとして自己更新を続ける姿勢を持つ
  2. 選手時代の苦労を知るスタッフを意図的にチームに入れる — バーチのようにトップでの出場機会が少なかった経験を持つ人物は「挫折と挑戦を経たリアリスト」として選手の等身大の悩みに対応できる。多様な選手人生を持つスタッフ構成がチームの厚みを増す
  3. 若いスタッフの成長を自分の誇りとして位置づける — ポステコグルーが「有能な若者をチームに迎え、彼らの成長を見ることが自分のプライドだ」と語るように、スタッフの育成そのものを指導者としての達成として定義することでクラブの人材開発文化を底上げできる
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クラブの「物語」は、どのように生まれるのか

ここで立ち止まり、あらためてみなさんに問いかけたいと思います。
サッカーのクラブにとって、“強さ”とは何でしょうか?

チームの戦術、戦力、資金力。
もちろん、どれも大切です。でも、“人”の価値観や物語、そこに流れる信頼や挑戦、尊敬や夢。
そうした「目には見えないもの」も、実は果てしない力になります。

ノッティンガム・フォレストには、長い歴史と伝統があります。
かつてブライアン・クラフ監督のもと、弱小と呼ばれていたクラブがヨーロッパの頂点に立ち、今も多くの人々の記憶に残り続けています。
そのDNAは今もクラブに受け継がれているはず。

ポステコグルー監督が持ち込もうとしているのは、まさにそうした「クラブの物語」を一人一人の成長と信頼を重ねる形で再構築することなのかもしれません。
だからこそ、異例の“馴染みのスタッフ招聘”が、今季ノッティンガム・フォレストの新たな物語を紡ぐキーワードなのです。

FOR PLAYERS & PARENTS / 選手・保護者が知っておきたい3つのこと
ノッティンガム・フォレスト新体制から「仲間の選び方」を学ぶ
  1. 「信念を持って変化する」ことが長く活躍する秘訣 — ポステコグルーは「同じスタッフを連れて行かない」という自分の哲学を今回初めて変えた。それは弱さではなく、状況に応じて最善を選ぶ柔軟性の証。選手も自分のプレースタイルや考え方を固定せずに進化し続けることが大切
  2. チームのDNAは人が運ぶ — ブライアン・クラフが作ったノッティンガム・フォレストの伝統のように、クラブの哲学や文化は選手やスタッフという「人」を通じて次世代へ受け継がれる。地元クラブや学校のチームでも同じことが起きている
  3. 多様な国際経験を持つコーチが近くにいることは選手の視野を広げる — ライムンドのようにセネガル・ブラジル・カナダ・オーストリアで経験を積んだコーチの言葉は、一つの国やリーグだけでは得られない多様な視点を選手に与える。異文化経験を持つ指導者と接することは選手の成長にプラスになる

日本サッカーへの示唆と問いかけ

このニュースは、海を越えて私たち日本のサッカーファンや指導者にも問うものがあります。
「監督はどんな人を信じてともに戦うのか?」
「変化を恐れず、自分の信念を守り続けるとはどういうことか?」
そして、「時に“同じ仲間”を頼ることで生まれる安心感や連携力、その意味は?」
日本サッカーも、今まさに次世代への手渡しが進む過渡期にあります。
失敗から学びつつ、新たな挑戦やチームワークの大切さに目を向ける時かもしれません。

FAQ / よくある質問
Q. ポステコグルーはなぜノッティンガム・フォレストに移ったのですか?
A. 記事では直接的な移籍理由には触れられていませんが、ポステコグルーがトッテナムから4人の信頼できるスタッフを帯同してノッティンガム・フォレストに加わったことが記されています。彼は「監督として長く続けるには自分のメッセージが常に時代に合うものでなければならない」という哲学のもとで新天地での挑戦を選びました。
Q. ニック・モンゴメリーはどんな人物ですか?
A. シェフィールド・ユナイテッドで350試合以上プレーした後、オーストラリアAリーグに移りセントラルコースト・マリナーズを指導者としてリーグ優勝に導きました。その後スコットランドのヒバーニアンでも監督を経験し、ポステコグルーが「有能な若者の成長を見ることが自分のプライドだ」と語るように彼の右腕として活躍が期待されています。
Q. マイレ・ジェディナクはポステコグルーとどんな関係ですか?
A. ジェディナクはオーストラリア代表で79キャップを持つ元主将で、ポステコグルーがオーストラリア代表監督を務めていた時代に信頼を置いた選手の一人です。クリスタル・パレスやアストン・ヴィラで約250試合をプレーした後、指導者に転身してアカデミー指導やローン選手の育成に携わってきました。
Q. ポステコグルーが「同じスタッフを連れて行かない」と言いながら今回連れて行った理由は?
A. ポステコグルーは「これが私の挑戦だ。監督として長く続けるには自らのメッセージが常に時代に合うものとして届けられなければならない」と語りつつ、今回初めて馴染みのスタッフを帯同しました。記事はこの変化を「信頼の再発見」と捉え、多様性や柔軟性が必要なフットボール界において時に信頼できる仲間を頼ることで生まれる安心感と連携力の意義を問いかけています。

今、チームに必要なこと

ノッティンガム・フォレストにおける新体制は、単なる“監督とコーチの入れ替え”を超え、クラブ全体の空気を一新する大きな契機です。
老若男女問わず、サッカーが好きなすべての人に、「仲間の大切さ」や「変化を受け入れる勇気」、「成長し続ける姿勢」を思い出させてくれます。

みなさんは、ご自身の「夢」を叶える時、どんな仲間を信じ、どんなチャレンジに臨みたいですか?
ノッティンガム・フォレストの物語は、これからも私たちの背中をそっと押してくれることでしょう。

最後に、クラブの歴史が教えてくれるように、
「Unity is strength… when there is teamwork and collaboration, wonderful things can be achieved.」
「団結は力なり…。チームワークと協力があれば、素晴らしいことが実現できる。」
(マッタン・ラリー)

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